DEMON GAZE デモンゲイズ

ベニー松山×デモンゲイズ ショートノベル

ダンジョンRPGに縁の深い作家のベニー松山氏が、本作を題材にしたショートノベルを連載。

ベニー松山:プロフィール

1988年、DRPGの元祖とされる『Wizardry』を題材にした小説『隣り合わせの灰と青春』
(Jicc出版局:現・宝島社)を発表。その後、国産オリジナルWizardryのゲームボーイ用ソフト
『ウィザードリィ外伝II・古代皇帝の呪い』(アスキー)のシナリオ・ゲームバランスを担当する等、DRPGとはとりわけ縁が深い。スタジオベントスタッフ所属

デモンゲイズの舞台・ミスリッドの冒険に没入している。
燃え続ける廃墟の街、毒霧立ちこめる墓地、昼なお暗い森の小径、潮流渦巻く水没都市、
そして呪わしき魔城グリモダール……。足を踏み入れた者を惑わせるダンジョンの数々――
その白地図に一歩一歩足跡を記していく行為だけでも楽しいというのに、
ボクたちはそこにキャラクターを創造し、活躍を想像することまでも許されている。
そんな、底知れぬダンジョンRPGの世界に踏み出すための、呼び水のようなものをお届けしたい。
迷いの宮に潜りに潜って、デモンゲイズの精髄を拾い上げてくるつもりだ。

DRPGを遊んでいて、最も昂揚を感じるのは全滅必至の強敵との激闘を制した瞬間だ。
「僕の判断が正しかったからこそ勝てたんじゃないか?」という至福の感覚。
『デモンゲイズ』はこれを度々与えてくれる。それはつまり、奇跡のようなバランスが、
本作には溢れていることを意味する。良作を名作に押し上げるエッセンス
――たぶん僕たちは、10年後にも熱く、『デモンゲイズ』の体験(エクスペリエンス)を戦友と語り合っているハズだ。